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迷走する物理学

迷走する物理学
定価: ¥ 2,730
価格: ¥ 2,730
通常24時間以内に発送
メーカー:ランダムハウス講談社
カスタマーのおすすめ度: Average rating of 5.0/5Average rating of 5.0/5Average rating of 5.0/5Average rating of 5.0/5Average rating of 5.0/5

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Binding: 単行本(ソフトカバー)
EAN: 9784270002926
ISBN: 4270002921
Label: ランダムハウス講談社
メーカー: ランダムハウス講談社
Number Of Pages: 472
Publication Date: 2007-12-13
Publisher: ランダムハウス講談社
Studio: ランダムハウス講談社

関連商品

商品レビュー:



スポットライトレビュー:

評価: Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5
概要: 単なるストリング理論の破綻の著書ではなく、基礎物理学全般について深い反省と未来への洞察が見てとれる超名著 彼の苦悩は深い!!
コメント: ほぼ同時期に、本著と「NOT EVEN WRONG」は刊行された。共にストリング理論の失敗を説明しているが、その様なことは、10年以上前から素粒子論に詳しい人には常識でした。ストリング理論が単なる失敗であるなら、Smolin はこの著書を出さなかったと思う。この著書には其処にいたる状況、多大なる弊単なるストリング理論の破綻の著書ではなく、基礎物理学全般について深い反省と未来への洞察が見てとれる超名著 彼の苦悩は深い!!害を述べているが、初心者にも読める序論から読み始め、1章、2章、3章、4章と読み進め、他のレビューアーさんの様な読後感想を思う方も多いいと思います。それは、それでいいのですが、Smolin の著書での主張は基礎物理学への深い苦悩と情熱、数十年に及ぶ基礎物理学の停滞、危機への真摯なる発言、これは物理学全体にも影響を与えるのです。それを、物理学を学ぶものは読み取る力が必要です。この著書は非常に深い思考、哲学が含まれています。その理解度は貴方たちのレベルに依存します。日本の状況は?皆さんご存知の通り、恥ずかしくて書けません。Peter Woit「NOT EVEN WRONG」は Smolin のこの著書では簡単な記述であった、標準理論、ストリング理論の歴史は解かり易く書かれているが深い哲学的、科学的考察に欠け、数学屋として、逃げている。またSmolin の著書の存在で助けられているのです。Smolin の著書には数式はないが、ストリング理論、ループ量子重力理論双方で一級の業績を挙げている著者の全てのエッセンスが多量に含まれているのです。表現は平易に思えても、深い意味を含有していて、素人には理解できません。一言で評するならWoit の本は丁寧に書かれた一般向け啓蒙書で普通に良く書かれています、ですから将来への考察は皆無に近くてもしかたが無い。一方、Smolin のこの著書の意図は一般啓蒙書の形を取っていますが、内容は基礎物理学全てに亘る一般社会、物理学界をも含めた広く、深い考察が述べられており、後半から最後の一ページまでに書かれている事は非常に重要です。著者の関った超一級科学者との交流、ノーベル賞受賞者ヘラルト・トホーフトの現在の行動等は、本物の科学者が世界には存在しているという感動さえ受けます。そして、科学哲学者ポール・ファイヤアーベントとの親しい交流。此処には書ききれないほどの非常に興味深く大切な事柄が、超一級の物理学者の考察も含め、最近の基礎物理学への多くの科学者の考え、著者自身の深い考察で溢れんばかりの最高の科学書です。著者の翻訳書「宇宙は自ら進化した:ダーウィンから量子重力理論へ」、「量子宇宙への3つの道」の2冊もかなり前に読みました。Smolin は只者ではない科学者だと思っていましたが、本著書で納得しました。この本を本当に理解するのは専門家以外には無理でしょうが、物理ファンの皆さんも、お読みに成る事お薦めします。プロではないのですから、分かる事だけでもいいし、世界にはとてつもなく独自な考え方を持つ一級の理論物理学者がいることを知ることは大切です。我々科学者は社会の皆様のサポートが有るから研究できる事を常に意識しておく事が必要です。最後に、物理学科の高学年生は翻訳書ではなく、原著英語版読みなさい!院生に成ってでは遅いのです。レビューアーとして書きたき事多々ありますが、Smolin の著書に重要な事は全て書かれています。最後に科学的方法論の規範である物理学を学ぶ学生の皆さん、貴方たちは科学の意味、方法論を本当に知ってますか?最低でもカール・ホパー、ポール・ファイヤアーベントの哲学も必須の知識だとレビューアーは考えてます。Smolin のこの著書ここ数年の最高の科学書です。細かき知識等より彼の基礎物理学に対する深き危機感をキチンと理解し、受け止める事が今現在必要なのです。Smolin の勇気は流石です。
 2008/8 現在、ストリング理論屋の言い訳が学会誌に載り、素粒子論グループ・メンバーへのメールにはストリング理論のみならず他領域へのストリング理論の応用の研究会の案内が多い。米国の事情とは違い、日本では、これらを支える研究者の多くは正規の研究者ではなく。季節労働者のように短期の職を渡り歩いている。日本の基礎科学を支える頭脳たちは何十年も前から報われない厳しい人生を送っているのです。
Sept-masque de couleur


評価: Average rating of 4/5Average rating of 4/5Average rating of 4/5Average rating of 4/5Average rating of 4/5
概要: 自然が持つ深遠さ故の魅力
コメント:  ストリング理論の研究が実績を挙げていないにも拘らず、大学などで優遇され、ストリング理論以外の理論の成長を妨げているという主張を非常に厳しく論理的に述べています。特に、大学や研究機関に対して、基礎物理学の健全な進展を促すための提言を多く述べており、本書はこれら機関に向けて書いたのではないかと推測されます。しかし、ストリング理論が検証可能な科学理論として上手くいっていない事や、現在の基礎物理学が大変迷走している事について、詳しく解説されており、物理学科の3、4年生位の知識があれば、興味を持って読むことができると思います。本書から基礎物理研究の最前線について知り、人類が量子論と相対性理論の奥にある統一理論を手にするには、まだ時期尚早であると感じました。しかし、それは自然が深遠であるためであり、自然について以前より神秘的かつ魅力的に感じるようになりました。

評価: Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5
概要: 物理学の閉塞
コメント: 超ひも理論の問題点を指摘し、打開策を探る本。

超ひもの問題点がさまざまに指摘されているが、超ひもを全否定しようとする本ではない。
本書の意図は「本当の問題は、ストリング理論に多大なエネルギーがかけられた理由ではなく、それ以外の取り扱い方に十分と言えるほど手間をかけてこなかった理由の方である」(p445)に集約されているだろう。

超ひもは、理論が現実からどんどん乖離している。
理論において数学的美しさを推し進めてはいるが、それが現実と合致しているかはあまり重要視されず、ひたすらモデル分析に終始している。
例えば超対象性の美しさを求めるため、見つかっていないがあるはずのペアの粒子を大量に仮定する。
理論を先行させ、現実には見つかっていない粒子が置かれるのだ。

超ひもは、変数が余りにも多く、実験がどんな結果を出してもそれを取り込めてしまう。
しかしこれでは、実験が反証としての役目を果たせない。
超ひも理論がなぜこのような方程式なのかと言われても、実験結果にあわせるため、としか答えられなくなる。

結果、30年たっても、超ひも理論は有効な予言を何一つ出せずにいる。
超ひも理論は、理論ではなく仮説止まりだ。


しかし本書を読んで目が留まったのは、超ひもの話よりも、物理学会の問題の方であった。

既存の理論に異論を挟むことは許されず、ひたすらシステムに従って計算していくだけの科学が、学生のうちから叩き込まれる。
教授のポストや研究費の関係から、自分が信ずる道よりも、流行り誉めそやされているだけの研究をせざるを得ない状況がある。
こうして、数稼ぎの論文だけが大量生産され、流行が去れば忘れられる。

今は超ひもが幅を利かせており、超ひもをやらないものは一段低く見る風潮さえあるそうだ。
超ひもでないと職につくのも大変な時代になっている。
そのため、超ひもをやらないと職にも就けず、結果、超ひも以外の有望な研究はほとんど進んでいない。


ギトギトした教授選定の裏話などは、なんとなくがっかりさせられてしまう現実である。
一方で、「科学知らずの科学哲学者」ではなかったファイヤアーベントと著者との友好の話などは心を和ませてくれる。
能力が活かせるか否かは、運の要素も大きそうだ。
私が仕事をするころには、学会(物理に限らず)の閉塞性も打破されていてほしい。

評価: Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5Average rating of 5/5
概要: まさしく超名著!! 革命科学を通常科学のやり方でおこなう矛盾としての超弦理論
コメント: ストリング理論は最近になって目覚しい理論的前進があって盛り上がってるらしいですね。ブラックホールについてのホーキングの計算とストリング理論にもとづく計算が一致したんでしたっけか。ストリング理論が出した初めての定量的成功だそうで。おめでとうございます。苦節20年、亀の歩みですが、しだいに光が見えてきたということでしょう。

しかしなあ・・・やはりストリング理論があまりに難渋しているというのも疑いない事実でしょうねえ。20年以上ですからね! 世界の最優秀の頭脳を結集してなお理論を完成させられないでいるというのはやはり異様な事態です。これまでの科学史的パターンからすれば、さまざまな学派の台頭と論争の戦国時代に入り、根本的な原理にまで議論が及ぶ革命的新理論の提案へと至る・・・というのが定石です。ところがストリング理論のほかに有力な理論はないらしい。となると物理学全体がこの足取りおぼつかない危うい研究プログラムにこの先何十年も賭けるしかなくなる可能性が高い。今はストリング理論が前進したと沸き立っていますが、しばらくしたらまた停滞してしまうかもしれない。でも他にやれることはないんだから物理学者たちは不安を抱えながらもストリング理論の彫琢を続けていくしかない。そうしなければ物理学は事実上停止する。そんな状態の科学は前代未聞です。

こんなわけでストリング理論の科学論的意味をきちんと考えなきゃいかんと自らに課題を課した僕でしたが、そんな仕事はもうあらかた著者スモーリンが本書でやってのけてしまっていました。なるほど、ストリング理論がいっこうに成功しないのは、革命科学を通常科学のやり方でやり通そうとする矛盾からの必然的帰結なのだ、と。

素粒子物理学の標準モデルを産み出し、そしてストリング理論もその延長上にある研究スタイルこそクーンのいわゆる「通常科学」のそれであるというスモーリンの指摘は、素粒子論のやり方と量子力学・相対論のそれとが同じものではないというレビュアーのこれまで抱いていた漠然とした印象を明確に言葉にして表現してくれたところがあって思わず納得でした。確率解釈をめぐる量子力学の基礎問題を不問にふしたまま量子力学をただひたすら応用していく素粒子論研究者たちの進み方に違和感を感じずにはおれなかったからです。同じような違和感を感じて物理学科を中退しかかった、しかし科学哲学者ファイヤアーベントの著作に救われた、というスモーリン自身の若き日のエピソードが深く心に残りました。科学論の最良の業績が最良の科学者を科学に引き戻せたということに科学論の存在意義を確信してしまいました!

これは単なる紹介本ではなくそれ自体科学を推進する仕事、それも実に大きな仕事なんじゃないか。それほど本質的と思える著作の中で、現代科学の体制が根本問題への独自の長期的取り組みを阻害していることへの元気がなくなるくらい詳細な告発が少なからぬウェイトを占めているというのは悲しいことですが、しかし、スモーリンの慧眼はそうした科学の研究体制の構造的問題こそが現在の危機の本質なのだということを見抜いたわけです。本書は科学界の現状を冷静に分析した科学社会学書としても非常に優れたものだと思います。


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