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決壊 下巻

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定価: ¥ 1,890
価格: ¥ 1,890
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メーカー:新潮社
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カスタマーのおすすめ度:     

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Binding: 単行本 EAN: 9784104260089 ISBN: 4104260088 Label: 新潮社 メーカー: 新潮社 Number Of Pages: 402 Publication Date: 2008-06-26 Publisher: 新潮社 Studio: 新潮社
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スポットライトレビュー:
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評価:      概要: 難解。 コメント: 読み終えての率直な感想は、”難しい本に手を出しちゃった”です。
上巻の途中では、あまりの難しいお話に読み飛ばしてしまったほど。
全体をミステリーとひと括りにした場合は、
バラバラ殺人という現代で起こる事件を、
家族の崩壊と絡ませて丁寧に描いていたと思います。
子供が罪を犯したとき、起こしたかもしれないとき、
親はどうなるのか。
人ごととは思えませんでした。
最後まで読んで思いましたが、
上巻のあの難しさは何だったんでしょうか。
できれば下巻のように読みやすくして欲しかったです。
単純なミステリーを好む、私と同じ様なタイプの方には、
あまりオススメしません。
評価:      概要: 絶望的であるが愛を肯定している コメント: 読み終えて大江健三郎の「万延元年のフットボール」と同じ読後感と小説の力強さを、体の震えとともに感じた。
本書における殺人事件の今日性や、「秋葉原」事件を予告したようなテロの時代性を描いていることにも感嘆するが、事件や犯人のすべてが明らかになった後の100ページこそ、作者の最も切実な問いであった。初めは気に入らなかったが、いつの間にか感情移入してしまった主人公「崇」のたどる運命が説得力をもって語られている。
そしてさらにVTRに残された犠牲者が訴える愛の叫びこそ作者の本心であると確信した。平凡だがその思いの重量に、論理の肥大化した主人公は耐えられなかったのだ。「崇」もまた、現代社会の犠牲者の一人に他ならない。
絶望的な結末で読者の多数が気に入らないかも知れないが、希望や救いが容易に手に入らないことを理解し受け入れていると思う。終わり方はあれしかない!
評価:      概要: この社会に必要な才能ですが… コメント: 現代社会の心の闇を、ネット・いじめ・犯罪・報道被害……さまざまな側面から描いた本作は、大変な力作であることは間違いないと思います。主人公の崇ほかのセリフで語られる長大な哲学的思考も難解でありながら、胸の奥にずしりと応えてくるものがあります。ただ、自分としては、そのような長大な哲学的叙述やエキセントリックな犯罪よりも、「ピカチュウのシールを取ろうとしたときの指の震え」や「手の甲から剥がそうとして、また貼り付けた動作」などの描写に、胸を打たれます。
この作家は、間違いなく現代社会が、必要としてる才能であると思います。
しかし、今の自分の心に必要な作品だったかと問われると、それは違います。
評価:      概要: センセーショナルですが、 コメント: 舞台は2002年の日本、普通の家庭を築いた平凡な(もちろん様々な悩みもあり、兄に対する憧れとコンプレックスや、仕事の悩みも抱えている)弟と、能力が高く人から一目置かれる(しかし、心の中は醒めていて、人を愛したり、信頼したり出来ない男)兄、兄弟の両親(ふさぎ込んだ父と、普通の母)、弟の妻(弟を愛してはいるが、兄を頼り信頼もしている)、兄弟とは全く何の関係もない虐められ易い中学生、その特異な(でも確かにいそうな)母親、中学生の子が想いを寄せる同級生の女の子、など、様々な登場人物が織り成す物語です。
それぞれの葛藤や現代の悩み、問題、構造を同時に扱いながらも、より大きな謎と暴力と悪意に巻き込まれていく 人々を神の目線で捉えたドラマです。ネットや少年犯罪、倫理や格差、犯罪被害者や死刑の問題、マスメディアの問題や親子関係の問題等々、たくさんのものを扱いながらも読みやすく、また上手い表現ですし、読者を引き付けるチカラも強いです、例えるなら、村上 龍さんの小説が一番近いでしょうか?大きな謎を追いかけるうちに付随する日常的な様々な問題も同時に一つの作品に乗せるそのテクニックは凄いものがあります。初めて読む作家さんでしたが、なかなか上手いと思いました。今読むに値するテーマですし、読ませるチカラも、カタルシスもあってエンターテイメントとしても(作者の方はエンターテイメントとして扱われたくないと考えているのではないか?と私には感じられましたが)素晴らしいです。読み終わった方と作品について話してみたくなります。
村上 龍さんの作品を好きな方、現代の様々な問題に興味のある方にオススメ致します。
でも、ちょっとたくさんのテーマを扱い過ぎてしまったのか?とも思いますし、作者の沢野 崇に対する思いいれが少し漏れてきているように感じられました。最初からクールな、合理的な男のように見せるつもりが、弟との会話や、不倫相手の彼女たち、また親しい友人との会話であったとしても、すぐに自分の意見の底まで話してしまう会話の成り立ち方に、どうしても私は作者の言いたいことの代弁に聞こえてしまう部分を(勝手に)感じてしまい、ここまで広い様々なテーマを扱って同時代性に訴えようとしているのであるならば、もう少し(3人称を使っているわけですし)作者の代弁感をそぎ落としても良かったのではないか?と私個人は感じました。
「悪魔」の存在が起こすグロテスクな犯罪に関しても確かにセンセーショナルではありますが、想像の範囲のような気がしました。酷い、どうしようもない悪意ではありますし、共感も出来ませんが、そんな人がいるであろうという想像は、出てきて欲しくないけれど、場合によっては、というような予想を外れる程のものではなかったのではないか?と。
「決壊」するに至る敷居の低さとネットの安易な繋がりに、用意周到な悪意と覚悟が連なる時、今ならどこででもありえそうな話しです。最後の中継はセンセーショナルですが、ちょっと難しいですよね、時事系列でその連動を起こすのは。また、そこまで崇の物語にする根拠が私には分からなかったです(「男」が「崇」にそこまでこだわる理由が分からない)し、そこを想像してしまうと、作者と崇をダブらせたかっているのでは?という邪推が起こってしまったのかもしれません。だからこそ私が「崇」=「作者」感を嫌なモノとして感じてしまったのかも知れません。 でも最後はそれなりに理解出来る結末だと思いました。
評価:      概要: 難解ながら、文明批評小説の力作 コメント: 吉田修一が『悪人』を書いたように、同じ純文学系の平野啓一郎が「殺人事件」をモチーフにした小説を書いた、というのでミステリーファンの私としては初めて彼の作品を手にとって読んでみた。しかし、ボリューム満点の本書は、いささか難解だった。
上巻の終わりのほうになってやっと事件が起こる。2002年10月、全国各地で次々と男性のバラバラ死体が発見される。それぞれの遺体には社会からの“離脱”を呼びかける犯行声明が付けられていた。やがて被害者は宇部市に住む平凡な会社員と判明し、前代未聞の広域死体遺棄事件に発展する。
京都府警の捜査本部は、被害者の兄のエリート国家公務員を容疑者として逮捕する。だが、彼は断じて口を割らない。やがて鳥取市で起きた少年犯罪から意外な犯人が浮上し、さらに東京で連続2件の爆弾テロ事件が勃発して、事件はまったく予想外の悲劇的・絶望的な結末を迎える。
こうした社会派ミステリーの枠組みを縦軸に、作者はネット社会の闇、いじめ、不登校、ひきこもり、家族崩壊、報道被害といった現代の抱える社会問題を横軸として物語に取り込んでいる。そして各地の方言で語る個性的な登場人物たちが、生々しくも壮大な思想ドラマを展開する。
おりしも、東京・秋葉原の無差別殺人や八王子駅ビルの書店でのアルバイト女子学生殺人という衝撃的な事件が続けて起きた。犯人はいずれも「誰でもいいから殺したかった」と供述したという。いったいなぜ、こんな無気味な事件が続くのか。“通り魔”はどこから私たちのところへやってくるのか。
本書は、現代社会が直面するこの難問に真正面から取り組んだ、文明批評小説の力作である。
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