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ビタミンF (新潮文庫)

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定価: ¥ 540
価格: ¥ 540
通常24時間以内に発送
メーカー:新潮社
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カスタマーのおすすめ度:     

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Binding: 文庫 EAN: 9784101349152 ISBN: 4101349150 Label: 新潮社 メーカー: 新潮社 Number Of Pages: 362 Publication Date: 2003-06 Publisher: 新潮社 Studio: 新潮社
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スポットライトレビュー:
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評価:      概要: 重松清が作った現代を生きる人たちへの心の栄養剤。名作。 コメント: family,father,friend,fight,fragile,fortune...
それらのキーワードを埋め込んだ短編小説を重なり合わせて、結晶化して、
重松清が作った現代を生きる人たちへの心の栄養剤、ビタミンF。
読んだ後、あったかい気持ちにさせられる。
重松清は本当に物語を書くのが「上手い」。「巧い」のではなく、「上手い」。技巧的にすぐれているだけでなく、人の心を掴むことが出来る作家だな、と思う。中年具合を見せるために「仮面ライダー」をカラオケで歌わせたり、中学生に「ちょーむかつく」など、少し間違えたら寒い小道具を絶妙なバランスで書く。要所要所の表現、伏線のようにある言葉を置いて、大事なシーンでもう一度使って読者を感動させる構成。
そして、現代を生きるひとりひとりの辛さに対して、物語で安っぽい問題解決をしめさない。問題(いじめ、不登校、家族崩壊)は最後になっても解決しない。ほんの少しだけ、でもそれが一番大切な、スイッチが変わることだけが用意されている。それが読者の共感と感動を呼んでいるんだと思う。
この作品は短編集でハズレがないんだけど、僕の特にお気に入りは「ゲンコツ」「セッちゃん」「母、帰る」。
・「ゲンコツ」
「ゲンコツ」では、中年サラリーマンの気持ちを書く。主人公が歳を取ってきた自分にシラけだし、若者との差を感じ、「愛」「夢」「希望」という歌詞が出てくる歌を歌うのが気恥ずかしくてたまらなくなっている。
そんな主人公の家のマンションに中学生たちの「ガキたち」がたむろし出す。妻に話をもちかけられ、強がるが、関わりたくない本音がある。子供のころは正義、というほど大げさではなかったかもしれないけど、弱い者いじめや理不尽にも立ち向かおうとする自分がいた。そんな主人公は自分の「ゲンコツ」が、あの頃よりもたよりなくなったと思う。
そんな主人公が、ガキどもがいない遅い時間帯に帰宅するために友人と飲んだ帰り道で、自分の仕事である自動販売機にイタズラするガキどもを発見する。こちらに気付いていながら「かんけーねーよ」とほざくガキたちに、「なめるなよ。」とうめき声をざらつかせる。
ゲンコツを、握り締める。
・「セッちゃん」
「セッちゃん」は両親の自慢の娘の話。気立てが良くて、学校であったことを楽しそうに話してくれる娘がある日、クラスで嫌われている「セッちゃん」のことを話し出す。セッちゃんはクラスでイジメられていて、みんなから嫌われている。両親も耳障りが良い話ではない。
気の良い娘がセッちゃんが嫌われるのはしょうがない、と言う。「好き嫌いは個人の自由」と耳にざらつく言葉を吐き出す。何かに意地をはっているかのように。
ある日、そのセッちゃんの正体を両親は気付く。
父親は駅前の商店街を歩いているときに「身代わり雛」を見つける。子供の不幸、たとえば病気の部分などに傷をつけて、川に流すそうだ。それを一体買う。そして思う。
<セッちゃんは、加奈子の中のどこにいるんだろう・・・。>
この作品が良いのは、娘の本音を言いたいけれど、それを言ったら自分自身が崩壊してしまう、でも何かのかたちにして言わなければ自分自身がおかしくなってしまうという気持ちを書いている部分。そしてそれ以上に、親の助けてあげたいけれど、娘の気持ちを考えて動けない親のやりきれない気持ちが切ない。
日曜日に家族でドライブに行く。お弁当は娘の好物だけをつめて。
身代わり雛を流すときの娘の「でも、なんかもったいなくない?けっこうかわいいじゃん、この人形」「マジもったいないよ」という言葉に父親は「だから身代わりになってくれるんだよ。捨てたいような人形に身代わりになってもらうのって、なんか悔しいもんな」と返す。
この言葉が、娘を思う親の気持ちそのものだと思う。
物語の最後になっても、問題は解決しない。娘は「そんなに現実、甘くないもん」と言う。父親は<ゲンジツを、やわらかい響きで言えるようになった。それでいい>と思う。
娘と、両親の何かのスイッチが変わったことを思わせるラストシーンは本当に感動的。
・「母、帰る」
「母、帰る」は三十七歳の主人公の話。故郷を出て、東京で家庭を持っている。故郷の父親が子育てを終えてから男を作って家を出た妻におたがいひとり身になったんなら、もう一度戻ってきてくれ、と持ちかけたという。
母親は自分たちを捨てたわけじゃない。だが、長いあいだ一人で暮らしてきた父親のことを思うと、主人公は煮え切れない、わりきれない気持ちになる。姉はもう一度父親が母親と暮らすことに断固反対する。
主人公は故郷に帰って、東京に出て家庭を作った自分を確認する。離婚して子供を育てながら自分の生きがいに生きる姉を見る。姉と別れた男と話す。
そして、父親と話し、父親の母親への気持ちを聞く。そして「お父さん」でも「おじいちゃん」でもなく、大人になった自分を見つめる「年老いた父親」のまなざしに気付き、胸があつくなる。
僕が37歳になったときに、父親は70歳。そのとき僕は年老いた父を見て、どんなことを思うのだろうか。誰しも「会社での自分」「友達から友人としてみられた自分」「妻から見た夫としての自分」「子供からみた父親としての自分」が出来ていくんだろう。それでも、変わらない部分として「あの両親に育てられた息子としての自分」はこれからもずっとずっと変わらない事実なんだろうと思う。
そのことを思うと、たまにかかってきて鬱陶しいと思う故郷からの電話に、
両親に、少しだけ優しくなれそうな自分がいる。
評価:      概要: 何度も読み返すことになりそうです(^0^) コメント: 7作の短編。
いじめ、男女関係などなど、
ありふれた、一見するとジメっとしそうな日常が描かれている。
それなのに、後味は爽やかで、時には感動のあまり目を潤ませてしまう。
読み終わったあと、すごく、
気分が軽く、晴れやかになりますから、
何度も、何度も、読み返すことになりそうです。
評価:      概要: 嫌い・・・ コメント: これまた・・・焚書したいくらい嫌いな本でした
ビタミンになるどころか、悪い酒に酔ったよな気分。
飲んでいて、たまーにいくら飲んでも酔えなくて、反対に暗く気分が沈むことあるんですが、
そんな感じ。
なんていうんでしょうか。
ご都合主義?
7つの短編なんですが、それぞれに、「ちょっとした問題」か゜起きて、
40歳近くの主人公たちが、それなりに前向きに対応したら、
なんとなくうまい方向に流れが変わりましたみたいな。
世の中そんなに甘くねえよ。
というか、こいつらの悩み自体が、恵まれた小市民の、ほんのちょっとした事件でさー
小説としては、うまいのでしょうけど。
どうも私には「東京タワー」と同じくらい合わないストーリーでした。
評価:      概要: フレーズの宝石箱 コメント: この本には印象に残るフレーズが一杯詰まっています。
一つ一つが胸の深く刺さります。
一度さがされてはどうでしょう。
重松清を読むと、こんなに温かい目で人を見れたらと
反省モードに入ってしまうのですが、
なぜかやめられません。
ビタミン中毒ですね。
評価:      概要: さすが直木賞受賞作 コメント: 小学校〜中学校程度の子供がいる,40歳前後の中年男性が主人公の短編7編。どれも,子どもがいじめられていたり,娘が悪い男と付き合っていたり,といった家庭的にシビアな状況にある。そのシビアな状況は,基本的には劇的な改善を見ない。「セッちゃん」で,主人公は娘に「現実は厳しいんだよ,おとなもこどもも」と語るが,確かにそうであろう。ただ,シビアな状況なりに何となく希望が見えてくる辺り,重松清ならではといえると思う。
一番気になった作品は,「パンドラ」。娘がおかしな男と付き合っているらしい。オロオロするばかりで現実的な対応ができない父親=主人公と,冷静に対処する母親=妻。私自身,娘を持つ中年男性として,読みながら「どうしたらいいんだ」とオロオロ気持ちが落ち着かなかった。
《子供が成長するにつれて自分に近づいてくるように感じていられたのは,いつ頃までだったろう。親は身勝手だ。ある時期までは早く大きくなれと願い,ある時期からはいつまでもこのままでいてほしいと祈ってしまう。》(149〜150頁)
まったく同感。
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