評価: 




概要: ヒトラーを知る参考書として
コメント: この本はよく『我が闘争』の続編と位置づけられているが、結局は出版されなかった
「草稿」である。従って、この文書の真贋や作成時期の推測も含めてかなり議論のあった
文書であった。
しかし学問的研究からほぼこの草稿は本物で、作成時期も内容からほぼ固まって
いるらしい。そのあたりは本書の訳者(平野一郎氏)あとがきにかなり詳しく
解説されている。
内容は、『我が闘争』に比べて少し突っこんだ議論が見られるだけで、あまり
かわり映えはしない。あとがきにあるように米国に対する意見が述べられている
ことと、言葉の調子が激烈になっていることが目を引く。おそらく前著から数年
の間隔があり、しかもその間のドイツを取り巻く環境が激変していたことを
思えば、書いてある内容が代わり映えしないことは驚くべきことであり、
政治家としてのヒトラーが、いかに固定した観念を持ち続けていたかを明らかに
してくれる史料のひとつでもある。
ヒトラーの思想について、概説書ではあきたらず彼の言葉で知りたいという
向きには、『我が闘争』よりも短く、端的な言葉が使用されているため彼の
考えがよくわかる本書は、良い参考書になるだろう。
評価: 




概要: ヒトラーは、極限に置かれたときの人間の行動を鋭く見抜いている!
コメント: 決してヒトラーを支持しているわけではないが、現代日本のように、政治的経済的に行き詰まった状態で、個人としてどう意識を持ったらよいか、答えの一つを提示していると思う。ヒトラーの行動は結果的に悪いものとして歴史に名を残したが、一方でヒトラーユーゲントの青少年教育など、プラスの遺産も残している。1929年のドイツの大恐慌化にあって、一つの強力な精神的方向性を与えたことは、倦怠感と主体性欠如のため、何も自分から行動できない現代の日本庶民に比べたら、余程まともな生きる力を発揮している。一読の価値あり。特に、教育から崩壊している日本の将来の子どもの方向性を考える上でも、またある面ではヒトラーを反面教師として捉えてもおもしろい。下手な経済評論家のベストセラーを読むより、ずっと価値あり!
評価: 




概要: 補完
コメント: この本は「わが闘争」の続編となっているが、前作に比べ迫力、知名度ともはるかに及ばないだろう。目新しいことといったらヒトラーがアメリカをどのように捉えていたか、ぐらいだろう。その他は「わが闘争」で一度述べられたことの繰り返しだった。 だが、文章が「わが闘争」では抽象的だったのに対してこの作品では具体的になっている。「わが闘争」をより深く理解するという意味においては、この本は有益かもしれない。
ヒトラーがこの時点で何を考えていてこの本にかかれたことがどの程度実行されたかを知れば、ヒトラーに対してまた違った見方ができるかもしれない。