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証言沖縄「集団自決」―慶良間諸島で何が起きたか (岩波新書 新赤版 1114)

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定価: ¥ 777
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メーカー:岩波書店
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カスタマーのおすすめ度:     

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Binding: 新書 EAN: 9784004311140 ISBN: 4004311144 Label: 岩波書店 メーカー: 岩波書店 Number Of Pages: 222 Publication Date: 2008-02 Publisher: 岩波書店 Studio: 岩波書店
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スポットライトレビュー:
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評価:      概要: 惨劇の記憶 コメント: 「集団自決」における軍の強制の有無を巡って歴史教科書記述が今揺れ動いている。そのような中、実際に「集団自決」の場に居合わせた人々が自らの体験を語り、現在の潮流に対し声をあげ始めている。本書は、沖縄タイムスの記者による、慶良間戦の「集団自決」を経験した人々の「証言」を集めたものである。
島における平穏な生活が戦争に巻き込まれていく。一人一人の証言から見えてくる沖縄戦の実態には衝撃を受けずにはいられない。夫が妻を、子を、年老いた祖父母を手榴弾で、ロープで、あるいは鎌や石で手にかけていく状況に追い込まれていく。その背景には、皇民化教育や、生き残って米軍に捕まれば無残な殺され方をすると信じ込まされていたことがあった。戦闘になれば死ぬのが当たり前。そのような空気が醸成される中、最後に決定的だったのが玉砕の軍命令と島民への手榴弾の配布だったのである。
家族がお互いに手を掛け合った惨劇は、生き残った人々の心にも大きな傷を残すこととなった。本書の「証言」は、そのような人々が「集団自決」の事実を歪曲化しようとする風潮に抗して、自らの体験を苦悶しつつも語ったものである。後世への責任感に動機付けられたその「証言」の持つ圧倒的迫力に耳を傾けた時、住民の戦争体験を歴史教育から外そうとする昨今の動きに疑問を抱かざるを得ない。そのようなことを痛感させられる一冊。
評価:      概要: 冷静な視点が欠けて、わき腹を晒している コメント: 沖縄タイムスの本一般に言えるのだが、本書でも若い記者が事実を飾り立て、あるいは
証言内容を自らの考えに誘導する記述が明らかにみられる。これは言論に真面目に
携わりたい者は、立場がどこにあれ、絶対にしてはならない。真実・事実を返って
無きものにしてしてしまう。またそういう筆致に抵抗感があるものに対し嫌悪感を与え
言論伝達を妨げてしまう。違う立場の者に格好の攻撃材料を自ら進んで差し出している。
この点、よくよく考え、以後十分に気をつけられたい。
本書は、沖縄周辺諸島のいくつかでおきた民間人の自決の生き残りの者の証言であるが、
記者の邪魔な誘導等を回避して読んでも、残念ながら、軍命があったことは確実である、
と解釈することはできない。
ロジックがあいまいなことと、命令(があったとして)伝達をした者は死に、かつ
死ぬ前に軍の命令であると述べていないからだ。通常なら自らしなない、米軍が
上陸したら酷いめにあうと再三言われた、手榴弾が配られた、だから軍命で自決した
、というロジックは軍の命令で自決した、とするには感情論はともかく、論理の飛躍
がある。しかし軍の命令の証明に不成功であっても、証言から、ここで死んだ人たちは
好き好んで死んだのではなく、日本軍の上陸と流したデマ等によりヒステリー状態を
起こして死に追い込まれていったのは明らかであり、軍に責任があるのは明白である
と断言できる。その意味で意義があるが、筆致に欠陥があり、星はひとつマイナス。
評価:      概要: 証言を通してよみがえる戦争の悲惨さ コメント: 本書は、戦中の惨劇を経験した慶良間諸島の住民たちの証言をもとに構成されている。本書を通して何が慶良間諸島の住民たちを「集団自決」に追いやったのかを理解することができるであろう。また、今日の教科書問題や歴史修正主義などを考えるうえで、またそれらに対する当事者たちの思いを知るのにも役立つ一冊だと思われる。
筆者の「集団自決」に関しての考えをおおざっぱに要約すると以下のようにいえるであろう。
「集団自決」の背景にはまず、皇民化教育と、日本軍による「軍官民共生共死」の方針の2つがあった。それに加えて、軍による軍命や自決用の手榴弾配布が、住民をして「集団自決」せしめた。軍による強制はたしかに存在した。
そのような筆者の考えに私は基本的に異論はない。しかしあえて批判するとすれば、「強制」という言葉が何をさすのか、何をもって「強制」とするのか、という点について筆者は全く検討していないということである。
証言を通してわかるのは、日本軍が住民が「集団自決」する状況を、圧倒的な権力や暴力を背景に、巧妙に、つくりあげた、ということであって、日本軍が直接的に、例えば、目の前にいる住民に向かって自決する命令を下した、というわけでは必ずしもないということである。
後者は明白に軍による「強制」の例だといえるが、前者に関しては「強制」とはいえない、という考え方も人によっては成立しうる(私はそうは思わないが)。そのような曖昧な「強制」という概念について、筆者はもう少し論及すべきだったと思う。
しかし、そのような欠点が本書の価値をさげるものではない。本書を読むことで、読者は必ずや戦争の悲惨さを認識することであろう。
評価:      概要: 重すぎる体験 コメント: 1962年沖縄生まれの沖縄タイムス編集委員が、慶良間諸島(渡嘉敷島・座間味島・慶留間島・阿嘉島)の戦争体験者37人に「集団自決(強制集団死)」の体験と、それへの戦後の向き合い方について聞き書きした、2007年の同紙連載記事をもとに、翌年に刊行した本。沖縄戦は本土決戦のための時間稼ぎの戦闘と位置づけられ、軍官民共生共死という方針と軍民混在状況の下で、約80日間で推計15万人の県民を死なせた国内最大規模の地上戦であり、慶良間戦はその最初の地上戦である。住民は予め日本軍から米軍への恐怖心と日本軍の玉砕の論理を叩き込まれ、捕虜になることを禁じられ、戦争中もしばしばいわれなき「スパイ容疑」で日本軍により虐殺された。このような状況下、住民は日米両軍を恐れて戦場を逃げ惑わざるを得ないという、極限的な絶望状態の中に置かれ、正常な判断力を失ったまま、次第に「集団自決」へと追い込まれていく。日本軍も場合によっては、口頭での軍命や手榴弾配布を通じて、住民を「集団自決」へ誘導した。そのため、日本軍不在の島では殆ど「集団自決」は起こっていない。「集団自決」の状況はまさに地獄絵図であり、手榴弾、殺鼠剤、なた・鎌、岩石、ひも等を用いて家族・友人同士が殺しあったのであり、美化は不可能である。生存者と死者を分けたきっかけは全くの偶然である場合が多く、生存者は戦後も顔見知り同士の集落の中で、自責の念を抱えながら、この体験を封印してきた。彼らを証言へと駆り立てたきっかけは、主として元隊長の来沖や、史実を歪めようとする教科書検定であり、著者はこうした「歴史修正主義者」の動きを厳しく批判する。戦争を美化しなければ「国民の誇り」を持てない自称「愛国者」や、「県民大会には11万人もいなかった」的な揚げ足取りにばかり熱心な自称「実証主義者」こそ読むべき本。
評価:      概要: 沖縄の癒しの陰には、かつてこういうことがあった… コメント: 「集団自決」に対して、軍は強制しなかったとの歴史教科書記述があり、
沖縄が怒った。本書は、集団自決の場にいた人々が自らの体験を語ったもの。
生々しく、しかし淡々としているだけに衝撃的だ。
本書は慶良間島に限っている。しかし、集団自決は沖縄のあちらこちらで起こった。
たしかに軍が「お前等、自決せよ」とは言わなかったかもしれない。
しかし手榴弾を渡され、米軍の恐怖を刷り込まれたら、人間はどうするだろうか。
考えてみただけでわかると思う。
証言の中には、家族が家族を手にかける場面もある。
戦争だから死ぬのは当たり前だと教え込まれ、捕虜になると残虐な仕打ちに会うと言われる。
そういうプロセスが「証言」の形で語られるのが本書だ。
しかし今、軍の関与はなかったと、戦争被害者の証言を無視する方向に動き始めている。
私は何度も沖縄を訪れているが、おじいもおばあも、ほとんどの人が
控えめながらも軍の関与を口にする。「死ね」と言われたわけではないだろうが、
そういう状況に追い込んだのは誰だろうか。
すべて日本軍に責任があったとは言わない。戦争とはもともとそういう不条理なものだ。
しかし少なくとも、「軍は関与してない」とは言えないだろう。
歴史は謙虚に振り返るべきものではないだろうか。
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